4輪用のエンジンオイルの品質基準として定められた、次の規格の4輪用エンジンオイルをバイクに使用することは好ましくありません。クラッチ滑りが発生する場合があります。
以下にその API 品質基準を明記します。
・ API : SH / GF1 1993年から運用開始
・ API : SJ / GF2 1996年から運用開始
・ API : SL / GF3 2001年から運用開始
・ API : SM / GF4 2004年から運用開始
API:SH 以前の品質規格「SG」や「SF」であれば心配ありませんが、古い規格であるため、入手性に問題があります。以下にその理由を述べます。
●API:SH から4輪用のエンジンオイルには「省燃費性能」が求められるようになった。
SHよりも古い品質基準の「SG」や「SF」には「省燃費」の思想が盛り込まれていない。
●エンジンオイルに「省燃費性能」を加えるには製品の中に添加剤成分「摩擦低減剤」を投入して、
エンジン内部に発生するフリクションロス (摩擦抵抗) を少なくする → 燃費向上
同時にエンジンオイルの「低粘度化」が推進された。
粘度抵抗の少ない「低粘度油」はオイルの攪拌抵抗が少なくなる → 燃費向上
●一般的なスポーツバイクはクラッチ機構に 「湿式多板」 を使用しています。
湿式とはエンジンオイルの中でクラッチを作動させる機構を指します。
これは、エンジンの常用回転数の高い2輪車では、クラッチフェーシングの耐久性を向上させるため採用された
措置です。また、クラッチ板からの熱をオイルで奪う「冷却性能」も発揮しています。
●しかし、油中に「摩擦低減剤」が投入されたオイルを使用すると、この湿式クラッチが「滑って」しまう現象が
発生します。この現象は特に高トルクの大型バイクで多く発生します。
この弊害を解消するために JASO (自動車技術会) は世界に先駆け、二輪車用のエンジンオイルの規格を制定しました。この規格は世界でも認められています。
JASO MA: MB よりも摩擦係数の 「高い」 オイル ・・・・ クラッチ滑りを起こさない高性能油
JASO MB: MA よりも摩擦係数の 「低い」 オイル ・・・・ クラッチの滑りはないが、最低基準油
このように、すでに現代では「4輪用」と「2輪用」は同じエンジンオイルでありながら、別々の性能を有する専用油になりましたので、バイクには JASO MA や MB 規格に合格したオイルの使用を推奨します。
JASO 規格合格油には必ず JASO : MA などと容器に印刷されておりますので、容易に確認することができます。
なお、二輪用のエンジンオイルには粘度グレードのバリエーシュンはあまり多くありません。
SAE : 10W-30 や 10W-40 が代表的な粘度グレードになります。
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