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6/20/2006 Update

皆様の疑問&質問にお答えしております。オイルの事を中心に、車に関する「あんな事」、「こんな事」まで掲載中!
皆様のお役に立つ情報が満載です。

随時更新しますので、お見逃し無く!

「パワステオイル」はATFだと聞きました。 本当ですか? 
パワステフルードの交換は必要ですか? 
パワーステアリングの歴史と将来について教えてください。  
ギヤーオイルの役割について教えてください。 
ギヤーオイルの「GL-5」とは何ですか? 
ノンスリップデフに「85W-140」を使用するのはなぜですか?。  

「パワステオイル」はATFだと聞きました。 本当ですか?

ごく普通の車の油圧式パワーステアリングには ATF が使用されています。

事実、メーカー指定のパワステオイルが ATF である場合が多いのです。
しかし、最近の高度に電子制御されたパワステには注意する必要がありますので、メーカーに確認するのがベストでしょう。

パワステの原理はエンジンから得た動力でオイルポンプ(ベーンポンプ)を回し、高圧の油圧を発生させてステアリング機構に補助動力を供給しています。
したがって、オイルの仕事は「油圧作動」ですので、正式には「パワーステアリングフルード」と呼びます。
フルードとは動力伝達を司る液体全般のことを指します。

ATF は寒冷時でも「オイルが固くならず」、高温になっても「オイルがサラサラになりにくい」性質を持っていますので、パワステフルードとして都合の良いオイルとなっているわけです。
参考までに、一般的な ATF はエンジンオイルの粘度「SAE 5W」に相当します。

ここで、パワステフルードに要求される性能を列挙します。

1.適正な粘度温度特性を有すること ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ステアフィールの安定
2.低摩擦係数を維持すること ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ なめらかに作動する(摩擦低減)
3.耐摩耗性、潤滑性が優れていること ・・・・・・・・・・・・・・・・・ パワステポンプ、ギヤーの保護
4.熱・酸化安定性に優れ長期間の使用に耐えること ・・・・・ 10年以上無交換が多い
5.さび止め性に優れていること ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ パワステ機構全体の保護
6.ゴムシール材に悪影響を与えないこと ・・・・・・・・・・・・・・・ オイルもれの防止
7.泡立ちが少ないこと ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ フィーリング安定と機構の保護

車両メーカーはその車に使用するオイルの数をあまり増やしたくありませんので、ATF をパワステオイルとして使用する場合が多いのです。 これは入手性が良いことと、ATF にもパワーステアリングポンプの摩耗試験が加えられていることからも判断できます。

通常の ATF には「赤」の着色がされていますので、パワステオイルのタンクに入っているオイルが「赤」であれば、ほとんどの場合 ATF と判断して良いでしょう。 ただし、着色をしていないフルードもありますので、一概に色で判断できるものではありません。

ワンポイント・アドバイス:
最近のパワステには「油圧」を使用しない「電動式」(モーターを使用する)もありますので、
すべてのパワステに ATF が使用されるわけではありません。
ご自分の車のパワステ機構を一度チェックする必要があるでしょう。

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パワステフルードの交換は必要ですか?

最近になり、オイル交換器機製造メーカーが「パワステオイル交換機」を販売しています。

現在のところ、パワステフルードの交換基準を明確に示している車両メーカーはありません。
ご自分の車に付いている「取扱説明書」をご覧になっても交換のことには触れていないはずです。

したがって、パワステフルードは交換不要、つまり「無交換」でした。

しかし、交換需要をオイルメーカーや交換器機メーカーが喚起したことにより、徐々に交換する機会が増えているのは事実です。

オイルは使用すればするほど初期の性能を発揮する力が弱くなります。つまり、性能の劣化が起きるわけです。パワステフルードも高温にさらされたり、激しいステアリングの切り替えしに酷使されればオイルが痛むのは当然のことなのです。

フルードを新しいものと交換することは機構(パワステポンプなど)の保護にもなり、精神衛生上も好ましいことといえますので、車を大切にする方にはお薦めします。

交換についてはそれほど難しいことはありませんが、フルードを用意したりしなければなりませんので、定期点検や車検整備の時などに修理工場に依頼すると良いでしょう。

ワンポイント・アドバイス:
最近の大型カーショップでは ATF 交換とパックでパワステフルードの交換キャンペーンを実施している場合もありますので、
このような機会に交換する方法もあります。

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パワーステアリングの歴史と将来について教えてください。

パワーステアリング機構の歴史は古く1925年に米国で初めて「Oldsmobile」に搭載されました。
その後、1965 年には乗用車の一般車両にも採用されています。
発祥の地は安楽な運転を好むアメリカ。
重いステアリング操作を改善するのに大きく貢献し、今では世界的規模で標準装備されるほどの普及率となっています。

パワステ機構はエンジンから得られた動力でポンプを回し、高圧の油圧を発生させてステアリング機構に補助動力を伝えています。これため、別名を「パワーアシスト」とも呼びます。
動力を伝達する役目はフルード(オイル)で、一般的には ATF が使用されています。

メカニズムの種類としては、「ラックアンドピニオン」式には「リンケージ・タイプ」が、「ボールナット」式には「インテグラル・タイプ」が採用されています。

ただステアリングが軽ければ良い時代を経て、速度感応式やエンジン回転感応式の機構が組み入れられて一度進歩をしています。これは、低速時(車庫入れ等)にはポンプに大きな仕事をさせてステアリングを軽く回るようにしながら、高速走行の時などは補助動力をカット(ほとんどアシストしない)してステアリングを安定させるために考え出された機構です。

最も進んだ方式は我が国が最も得意とする「電子制御式」。
各部のセンサーから得られた情報をもとにコンピューターが高速演算、ポンプに適切な仕事をさせたり、コントロールバルブを制御するものです。

今まで登場したパワステ機構で圧倒的多数を占めるのがすでに述べた「油圧式」。
一部のトライではエンジン動力でポンプを駆動するのではなく、電動モーターでポンプを回す方式もあります。

次に見られるのは、ポンプ機構を排除してモーターで直接ステアリング機構に動力を伝える機構です。
この方式はコンパクトなことから「軽自動車」に多く採用されています。
ポンプを回すためにエンジン動力のロスもないため、1800cc程度の中排気量車にも積極的に採用されています。
もちろん、これらの新しいパワステ機構には電子制御が大幅に導入されています。

将来展望では、上記のモーター直動式に全面移行することが考えられます。
油圧式の場合はオイル漏れが発生したり、ポンプを回すために「Vベルト」を使用していますので、ベルトのメンテナンスもしなければなりません。また、最も進んだ方式はAT機構に使用されている「遊星ギヤー」と電子制御(フライバイワイヤー)を組み合わせた機構で三菱自動車が開発をスタートさせました。

しかし、電動モーターにしてもトラブルフリーというわけではありませんから、メカニズムの信頼性向上と耐久性にポイントが置かれて開発が進むでしょう。

参考までに、モータースポーツの分野でもパワステが導入されています。年々グリップの良くなるタイヤ、同時にタイヤも太くなる傾向にありますので、ドライバーはステアリングと格闘しなければなりません。
特に耐久レースには必要なアイテムとしてパワーアシストが定着しつつあります。

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ギヤーオイルの役割について教えてください。

ギヤーオイルは大きく分けると「産業用」と「自動車用」に分類されます。
最も過酷な条件で使用されるのは自動車用のギヤーオイルで、開発には産業用とは比べものにならないほど高度な技術力が要求されます。

自動車用のギヤー油は乗用車をはじめトラック、バス、建設機械、農業機械などの歯車および軸受の潤滑油として幅広く使用されています。

自動車用ギヤー油の使用される箇所は下記のとおりです。
1.マニュアルトランスミッション
2.デファレンシャル
3.ステアリングギヤーボックス(パワーステアリングを除く)
4.農業用トラクターのトランスミッションや湿式ブレーキ、油圧作動油としての共用潤滑

特に最近の車では高性能、高出力化が進んでおりますので、ギヤーオイルの要求性能も年々高い数値となっています。
さらに、オイル量を少なくする傾向も出てきました。

ギヤーオイルの代表的な役割は歯車(ギヤー)を保護することです。
この性能を発揮するためにはベースオイルだけでは役不足ですので数々の添加剤が加えられます。

1.極圧性 ・・・・・・・・・ ハイポイドギヤーなどでは接触面圧が高く速度も早い
2.熱安定性 ・・・・・・ 速度の数値と同じだけ油温が上昇する
3.酸化安定性 ・・・・ 高温により酸化が促進されスラッジを生成したり粘度変化を起こす

以上の基本性能を維持すると同時に下記のとおり、ギヤーオイルにも使用環境温度に応じた適切な粘度を選定しなければなりません。

ギヤーオイルの粘度分類は下記のとおりです。(80 と 85 は 98 年7月に新たに追加)

「70W」 「75W」 「80W」 「85W」 「80」 「85」 「90」 「140」 「250」

上記の粘度数値はシングルグレードの場合です。
最近ではマルチグレード化が進み、これらの数値をハイフンでつなげたマルチタイプのギヤーオイルが主流となっています。

代表的な例では、「75W-90」「80W-90」「85W-140」などです。

歯車の保護、軸受けの損傷および騒音防止には高粘度油(85W-140)を使用する方が有利ですが、伝達効率の低下や冷却効率、給油性などのデメリットもありますので、使用箇所に応じた適切な粘度のギヤーオイルを使用してください。

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ギヤーオイルの「GL-5」とは何ですか?

API(アメリカ石油協会)が定めた自動車用ギヤーオイルの規格で、「GL」とは Gear Lubricant(ギヤー用潤滑油)の頭文字をとったものです。

ハイフンでつながれた数字が1〜5まで、使用する箇所(ミッションやデフ)、使用条件に応じて対応する番号が指定されています。数字が大きくなるに従って高性能となります。

LSD を装着した、かなり過酷な条件で使用されるデファレンシャルには「GL-5」。
マニュアルトランスミッションには「GL-3」または「GL-4」を指定する車両メーカーが多く、FF 車のトランスアクスル(ミッション・デフ共用潤滑)には「GL-5」を使用します。
すでに「GL-1」や「GL-2」は過去のものとなっており、販売されているケースはほとんどありません。

ギヤーオイルが使用される箇所は、車のマニュアルミッション(AT を除く) とデファレンシャル、及びステアリングギヤボックス(パワーステアリングを除く)です。

参考までに、「75W-90」、「80W-90」や「85W-140」などのオイルが良く販売されています。

では代表的な車種別、使用箇所別の粘度グレードと「GL クラス」を解説します。

FR車の一般的なマニュアル・トランスミッション 75W-90 GL-3 または GL-4
FR車の一般的なデファレンシャル 80W-90 GL-5
FR車のノンスリップデファレンシャル 85W-140 GL-5
*FF車のトランスミッションとデフ 75W-90 GL-4 または GL-5
軽自動車のトランスミッション75W-80 GL-4
一般的な車のステアリングギヤ(パワステを除く) 80W-90 GL-5

*ここで注目しなければならないのは、FF車のミッションとデフは1種類のオイルで共用潤滑していることです。
これはFF車の場合、コンパクトな設計をしなければならない制約から生まれた必然的なもので、トランスミッションとデファレンシャル機構が一つのケースの中に納められており、FR車のように別々のオイルを使用することができないのです。
この方式を「トランスアクスル」と呼びます。一般的には「GL-4」が指定されます。

現在ではマルチグレード化が進み、シングルグレードのギヤーオイルはほとんど使用されていません。

参考までに、シングルグレードのギヤオイルでは「80W」「90」「140」などがあります。

ワンポイント・アドバイス:
GL クラス(番号)の選択については、車両メーカーの指定する番号に従ってください。

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ノンスリップデフに「85W-140」を使用するのはなぜですか?

ノンスリップデファレンシャルは特殊な構造をしており、たいへん過酷な条件下で使用されます。
穏やかな運転や直線だけの運転なら心配ありませんが、激しいコーナリングを伴うサーキット走行やスポーツ走行時には、デフのギヤーに強いトルク(力)がかかり、あまり粘度の低いオイルではギヤーにキズが付いたり、最悪の場合は発熱を起こし焼き付いたり、破損という重大トラブルが発生します。

特に一般的な多板プレート式はプレート間の発熱も多く、オイルはデフの中でたいへん過酷に使用されます。
また、多板式 LSD は潤滑理論では矛盾の固まりです。
プレッシャープレートの間ではトルクを伝達しながら、摩耗を防止しなければならないことに加え、トルク伝達時には回転差があるため、摩擦熱が発生します。
高性能 LSD オイルを開発するにはオイルメーカーの高度な技術力が必要です。

このため、通常のギヤーオイルに使用される粘度 80W-90 より高い粘度設定を採用した「85W-140」が使用される場合が多いのです。
低温側粘度(数字にWが付いた方)の幅より高温側粘度(ハイフンでつながれた右側の数字)の増加の幅を多くしているのは、高温耐久性をより持たせるためです。

ギヤーオイルの命は「せん断安定性」といわれています。 「せん断」とは、強い力で物が引きち切られることを意味します。
最近のデフにはハイポイドギヤーが使用されていますので、せん断安定性はさらに要求されるようになりました。

以上の理由から、プレート式ノンスリップデファレンシャル装着車には指定された粘度グレードのオイル「85W-140」を使用し、80W-90 などに交換することはお奨めできません。

ここで注意しなければならないのが品質を表わす「GL-5」等の記号。
デフには常に強いトルクがかかっており、さらにノンスリが入っていればさらに条件は過酷になります。
「GL-5」より穏やかな条件で使用される「GL-4」や「GL-3」に交換するのは避けてください。

ワンポイント・アドバイス:
最近普及しはじめた「トルセン」や「ヘリカル」のノンスリは 85W-140 などの高い粘度のギヤーオイルを要求していません。
マニュアルミッションに使用される 80W-90 などの一般的なギヤボックスオイルの粘度が指定されていますので注意してください。
また、最近ではプレート式 LSD 装着でも高粘度油「85W-140」を指定しない車種もありますので注意してください。

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