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オイルの事を中心に、クルマに関する「あんな事」「こんな事」を掲載中!
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エンジン摩耗の原因は多くのファクターがあり、ここでは書ききれないほどありますので、一般の使用における注意事項として述べます。
《エンジン始動直後》
(ドライスタート)
エンジン停止状態で長期間駐車した場合(専門的にはドライスタートという)、エンジン内部のオイルは最下部のオイルパンに落ちきり、ごくわずかのオイルが 必要部分に存在しているにすぎませんので、エンジン始動直後の急激なカラ吹かしは避けるべきです。
始動直後には油圧計の針が動くか、オイルランプが消えるまで急激な回転数の上昇を避けてください。
つまり、エンジン各部にオイルが充分に供給されるまで待つ、ということです。
この状態になれば発進してかまいませんが、エンジンが充分に暖まるまではエンジン回転を低めに保ち、しばらく暖機運転のつもりで走行するのがベストです。
数分でエンジンオイルはもちろん、ギヤオイルや、デフオイルの暖機もできますのでこの方法が理想的です。
始動直後はエンジン内部の各クリアランス部分の隙間が大きく、摩耗を促進させる原因となります。 エンジンをかけてすぐに全開走行することは、エンジン摩耗を自ら促進させていることになりますので、このような運転は絶対に避けるべきです。
《長時間のアイドリング》
よくエンジンをかけたままで長時間停車しているトラックなどを見かけますが、アイドリング中は油圧も低く、最低量のオイルしか供給されていません。この状 態が長く続くと油膜切れを起こす場合があり、無理な走行をしていないのにもかかわらず、エンジン摩耗が進むことがあります。
いつ動き出すか分からない渋滞時などは別として、できるだけ長時間のアイドリングは避けるべきです。
近年、環境保護の見地から「アイドリングストップ」が提唱されていますので、無駄なアイドリングは避けてください。
《寒 冷 時》(コールドスタート)
極端に外気温が低い場合(スキー場の朝)など、エンジン本体も外気温と同じ温度になっており、先に述べたクリアランスが多くなっていますから特に注意が必要です。
この場合、すぐに車をスタートさせ駆動系の暖機も兼ねてゆっくり走行してください。
良く停止状態でのアイドリングで暖機をする人がいますが、これは車にとって理想的な方法ではありません。
欧州車の一部には取扱説明書に「エンジンスタート後はすぐに発進し、ゆっくり走行せよ」と記載されている場合もあります。
低温時はエンジン摩耗にとって大敵です。これらの注意事項を守ってエンジンを大切にいたわってください。
特に、寒冷地で長期間エンジンをかけずに放置した時には充分配慮する必要があります。