みなさまの疑問&質問にニャルフがお答え。
オイルの事を中心に、クルマに関する「あんな事」「こんな事」を掲載中!
お役に立つ情報が満載です。
近年、エンジンの高性能化に伴い、様々な制御機構が登場しています。 そのなかでも「可変バルブ機構」は今まで夢のメカニズムとして技術者のあこがれの的でした。 しかし、我が国の高度な技術力は夢を現実の物にして一般市販車にも搭載され、手軽に高性能エンジンを手に入れることが可能となっています。
「可変バルブ」とは「低中速域」では「低速用カム」を使用して、「高回転域」に入ると「高速用カム」にバトンタッチする複雑な機構です。 低速カムと高速カムの2本のカムシャフトを用意するのではなく、油圧制御により「カム」だけを切り替える巧妙なメカニズムになっています。
代表的な可変バルブ機構は「HONDA V-TEC」や三菱「MIVEC」で、すでに各メーカーからも続々と可変バルブ搭載エンジンが発売され、一般化が進んでいます。
バルブの切替えをする力は「油圧」です。エンジンオイルの一部を油圧作動油として機能させ、オイルの力でカムの切替えを行なっています。
油圧を使用する、と言うことは「油圧の安定」がなければ正常な作動は期待できません。 また、暖機が終了するまではオイルが冷えているために(粘度が高い)充分に可変バルブが機能しない、 欠点を持っていましたが、油圧に頼らない「電磁式」可変バルブ方式の実用化に期待がかけられています。
よって、可変バルブ機構を採用しているエンジンには「車両メーカーが指定している粘度」(10W-30 など)から大きく外れない粘度グレードを選定してください。 単純には「メーカー指定粘度」に合わせるということです。
大きく粘度が外れた場合は、カム切替の作動ポイントがずれたり、高速カムに切り替わらない、などのトラブルが発生します。