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車を大切にするなら「ナラシ運転」は絶対に必要です。 エンジンはもちろんミッションなどの駆動系を含め、金属同士の接触面において特に重要になります。
良く、最近の車には「ナラシ運転は必要ない!」といわれていますが、これから述べることをご理解いただければナラシ運転の必要性がわかるはずです。
最近の工作技術の進歩はめざましいものがあり、昔に比べて比較にならないほど面精度が向上していますし、わが国の工作精度は世界一にもなりました。 しかし、金属表面をミクロの世界で見てみると荒野のごとく荒れ放題、デコボコだらけの表面になっているのが確認できます。
見かけ上平面同士で接触している場所は現実には凸の部分同士での点接触になっています。これを専門用語では「真実接触面」と呼んでいます。
例えば、エンジン内部の最も重要な部分のメタルにおいて、見かけの面積の数百分の一から数万分の一の面積でしか荷重を受けとめていないことになります。 これでは大荷重に耐えられるはずもなく、無理な運転をした場合には大きなキズを金属表面に残してしまいます。
金属同士の接触面には必ずオイルが供給されていますが、デコボコ面ではせっかくのオイルが凹部分に溜まってしまい、凸の部分にまで行き渡らないことになります。
このデコボコは機械加工された直後が最も多く、エンジンを使用すればしだいに凸部分が削れて平らになってくるのです。
したがって、ナラシ運転をすることはこの凸を取り去る作業と理解してください。 削られた金属は金属粉となりオイルの中に存在しますので早めのオイル交換が必要になります。 ナラシ運転中は最大回転を 3000 rpm 程度に抑え、完了までは無理な運転はつつしんでください。 急発進や急加速、過激なシフトダウン、全開走行やオーバーレブは禁物です。
車を大切にする人はワンランク上の粘度のオイルに交換してからナラシ運転に入ります。 例えば 10W-40 が指定なら 15W-50 を入れるなどで、凸同士の接触面の油膜強度を上げてやろうとする考えです。