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「キャビテーション」とは強い力で液体を吸引した場合に「気泡」が発生する現象を指します。
オイルパンに溜まったオイルはまずオイルポンプが吸い上げます。吸い上げられたオイルはポンプにより潤滑を必要とする部分に高い圧力をかけて圧送されます。
キャビテーションが起こるのはオイルパン内のピックアップ(オイルの吸い口)とオイルポンプまでのごく距離の短い部分での発生が考えられます。
正常な自動車の場合キャビテーションが発生するケースはほとんどありません。
もし発生するとすれば、ピックアップに付いているメッシュ(網)に異物が溜まり、目詰まりを起こしている場合が考えられます。
異物があればオイルが吸えない状態となりキャビテーションが発生、キャビテーションで生成された気泡がオイルポンプでさらにかき回され、エアーを噛んだ状態のオイルで各部を潤滑することになります。
この結果、潤滑不良が発生して異常な発熱、やがてエンジン焼き付きなどの重大なトラブルが発生します。
ピックアップのメッシュはそれほど細かいものではありません。荒目の網で金属片などを吸い上げないように配慮したものです。
もし、ピックアップにタール状の異物で満たされていたような場合には、品質の悪いオイルを使用していたか、オイル交換を長期間にわたり実施していない場合が考えられます。
また、極低温時にはオイルが流動性を失いシャーベット状に固まってしまう場合にもキャビテーションが発生しま す。しかし、この場合はエンジン始動後の熱でオイルの流動性がすぐに回復しますので、それほど心配する必要はありませんが、寒冷地での冬場の使用には低温 側粘度の優れた 5W-30 などのオイルを選ぶか、極低温に強い合成系のオイルをお奨めします。
エンジンオイルとは別に、ラリーなどの過酷運転の場合にショックアブソーバーオイルがキャビテーションを起こす時があります。